債権譲渡登記不要のファクタリング会社10選!登記のメリットやデメリット

ファクタリングは最短即日で資金調達ができるため、利用者が増えているサービスです。しかし2社間ファクタリングの中には、債権譲渡登記を求められるケースもあります。

登記を必要とする場合は別途費用が発生する・売掛先にバレる可能性がある・個人事業主やフリーランスが利用できないといったデメリットがあります。加えて法務局で平日に登記を行う必要があり、即日入金は実質できないことも多いです。

今回は債権譲渡登記が不要なおすすめファクタリングを紹介していきます。ファクタリングにおける債権譲渡登記はこちらの記事で解説しています。

目次

債権譲渡登記不要のおすすめファクタリング会社10選!手数料や入金スピード比較

まずは2社間ファクタリングで債権譲渡登記が不要なおすすめファクタリング会社を紹介していきます。

サービス名通過率手数料入金スピード買取可能額必要書類
QuQuMo(ククモ)98%1%~2時間
審査時間30分
制限なし請求書/通帳コピー
※2つのみ
labol(ラボル)
土日祝日対応
24時間即時入金
90%一律10%60分
審査時間10分
1万円〜本人確認証/請求書
メールなどのエビデンス
※3つのみ
ベストファクター92%2%~最短1時間
審査時間30分
30万〜1億円本人確認書類/通帳コピー
請求書 ※3つのみ
ビートレーディング98%2%~2時間
審査時間30分
制限なし通帳のコピー
請求書 ※2つのみ
日本中小企業
金融サポート機構
95%1.5~10%3時間
審査時間30分
制限なし通帳のコピー/請求書
身分証明書 ※3つのみ

labol 通過率90%/土日祝日/最短60分/24時間即日入金のAIオンラインファクタリング

  • 審査通過率90%以上/個人事業主やフリーランス特化
  • 最短60分入金/土日祝日も24時間365日即時入金
  • 通帳コピー不要で必要書類は3つのみ/1万円から買取OK

labol(ラボル)はフリーランス・個人事業主向けのAIオンラインファクタリングで、審査時間は最短10分・土日祝日も最短60分で24時間即時入金・審査通過率90%・必要書類も3つと少なく通帳コピーが不要で、スピーディーに資金調達できます。

ラボル一番の特徴は土日祝日も含めて365日審査受付・最短60分で24時間即時入金で、いつでも入金してくれます。24時間即時入金はラボルのみで、通常のファクタリングでは土日は営業しておらず、審査通過しても入金までに2〜3時間はかかります。

Q:申請してから入金されるまでに、どれくらいの時間がかかりますか?

A:申請をいただいてから、最短60分で審査が完了します。審査が完了いたしますと、ご登録の銀行口座宛に24時間365日即時で入金いたします。

引用:labol(ラボル)公式ホームページより

また買取金額は1万円〜・手数料は一律10%も強みです。一般的に30万円未満など買取金額が小さいと、手数料は上限値の10〜20%が適用となります。しかしラボルは一律10%なので少額利用でも手数料が大きくなりません。

提出書類としては通帳コピーは不要で請求書・本人確認書類・取引先とのやり取りがわかるエビデンス(メールやSlackなど)の3点だけです。運営会社のラボルは東証プライム上場企業のセレス株式会社の100%子会社のため、安心して利用できます。

取引形態通過率手数料最短入金買取可能額必要書類
2社間ファクタリング90%以上一律10%最短60分1万円〜本人確認書類/請求書 ※3つのみ
取引を示すエビデンス
※取引先とのメール・Slackなど
※土日祝日・年中無休で審査通過後は24時間即時入金

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QuQuMo 個人OK/通過率98%/土日対応/2時間で即日入金のオンラインファクタリング

QuQuMo(ククモ)は最安1%〜のオンラインファクタリングサービスです。提出書類は最も少なめで請求書と通帳の2点のみでOKです。無料登録を行い必要事項を入力するだけで1〜2分で申込でき30分程度で見積もり提示となります。

QuQuMo(ククモ)が選ばれる理由は審査通過率が98%と非常に高く、オンライン完結のため入金スピードも最短2時間の即日入金と早期に資金調達できる点です。

また2社間取引のため取引先にファクタリング利用が知られることもなく、買取上限・下限制限がないため少額債権の売却を検討している個人業主やフリーランス・大口の資金調達を検討している法人企業にもおすすめです。

2社間ファクタリングの場合は債権譲渡登記が必要な会社もありますが、QuQuMo(ククモ)の場合は不要なためスピーディーに現金化ができます。

またフリーランスや個人事業主も積極的に支援しており、事例も豊富なのが特徴です。建設業の方では申し込みから3時間で600万円のファクタリング・広告代理店では1,200万円の申請をして2時間で即日入金を実現しています。

AIファクタリングかつ契約も電子契約で完結するため、個人事業主やフリーランスの方でも必要な提出書類が揃っていれば、非常にスピーディーに現金化が可能です。

利用も簡単3ステップで、無料登録完了後に審査書類の提出を提出すると30分程度で見積もり提示(買取金額・手数料)、その後は電子契約によるオンラインで契約締結となります。まずは無料登録で審査見積もりをしてみましょう。

取引形態手数料最短入金買取可能額提出書類
2者間ファクタリング1%〜2時間
審査時間30分
制限なし請求書・通帳コピー
※2点のみ

ビートレーディング 個人OK/通過率は98%/最短2時間/オンライン完結ファクタリング

ビートレーディングは設立10年以上の歴史を持ち東京・仙台・大阪・福岡に4つの拠点を持っている老舗オンライン完結ファクタリングです。必要書類も請求書・通帳コピーの2つのみで、審査時間は30分・最短2時間入金と早いのが特徴です。

手数料も2%から利用ができ法人だけでなく個人事業主の方でも利用ができます。必要書類も少なく審査通過率は98%と高い数値で、店舗に来店することやオンラインでの契約ができます。

取引形態手数料最短入金買取可能額必要書類
2者間ファクタリング
3者間ファクタリング
2%〜2時間制限なし通帳コピー/請求書
※2つのみ

日本中小企業金融サポート機構 審査通過率95%/即日入金/手数料1.5〜/非対面/個人OK

日本中小企業金融サポート機構手数料が1.5%という圧倒的に低いく、審査通過率も95%以上が特徴のオンライン完結ファクタリングサービスです。一般的なファクタリング会社は株式会社である営利企業が運営していますが、非営利団体の一般社団法人が運営しているため、業界最安水準の手数料です。

必要書類も通帳コピー・請求の2つのみで最短30分で審査結果が提示され、振込も最短即日入金・印紙代や郵送代も無料で済み、個人事業主の中小零細企業にもおすすめです。

加えてオンライン契約ができるため必要書類が少なく、書類を郵送する手間もないので、時間をかけずに売掛債権の売却が可能です。建築資材や外注費など先行投資が必要な場合や、取引機会を逃したくない場合におすすめのファクタリングサービスです。

取引形態手数料最短入金買取可能額必要書類
2者間ファクタリング
3者間ファクタリング
1.5〜10%最短3時間
審査時間30分
上限下限なし通帳コピー
請求書 ※2つのみ

ベストファクター 最短1時間入金/審査通過率92%/5分でわかる買取診断/面談不要

ベストファクターは個人事業主でも利用ができ、複数の借入がある・税金滞納・赤字で他社から断られた場合でも利用ができるオンライン完結ファクタリング会社です。

最短1時間というスピード入金が可能で、30万円からの少額債権でも対応しています。加えて審査通過率は92%以上と非常に高いの特徴です。

支払いサイトが長い売掛債権の買取も対応しているため、建設業界の方や一人親方の方におすすめのファクタリング会社といえます。

またオンラインファクタリングにも対応しているため、面談が不要で書類も郵送する必要はなく、Web上でアップロードするだけで良いのでスピーディーな資金調達が可能です。

取引形態手数料最短入金買取可能額必要書類
2者間ファクタリング 2%〜最短1時間30万〜1億円本人確認証/通帳コピー
請求書 ※3つのみ

ペイトナーファクタリング 1万円〜の少額買取/最短10分で即日入金/複数回申請OK

ペイトナーファクタリングはフリーランス・個人事業主向けのファクタリングサービスで、初期・月額費用0円・最短10分で即日入金が完了します。また債権譲渡登記は不要です。

買取価格も1万円の少額債権も利用が可能で請求書をアップロードするだけで簡単に現金化ができます。金融機関が運営しているサービスの場合は事業計画書などの提出が必要ですが、提出書類は少なめで請求書・本人確認書・入出金履歴の3つだけで利用ができます。

また料金体系もわかりやすく手数料は一律10%となっており、最低手数料のみを記載している場合は上限がわからないことも多いですが、ペイトナーの場合は安心して利用ができます。

また一度審査で落ちてしまっても複数回の申請が可能・売掛先が個人でも利用できる点も嬉しいポイントです。

取引形態手数料最短入金買取可能額提出書類
2社間ファクタリング10%10分1万円〜請求書・本人確認書類(※初回申請のみ)
口座入出金履歴またはサイトURLのどちらか一点(※任意書類)

ペイトナーファクタリングの評判や口コミ審査落ちの理由と対策はそれぞれの別の記事で解説しています。

FREENANCE 最短30分で即日現金化/買取上限1,000万円/無料損害保険も付帯/登記不要

FREENANCE(フリーナンス)はGMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営するフリーランス・個人事業主向けのお金・保険の総合サービスです。提出書類は少なめで請求書・本人確認書類・取引先のエビデンス資料の3つのみです。

最低買取金額も1万円からと少額債権にも対応しており、個人事業主やフリーランスの方におすすめで、債権譲渡登記は不要で利用できます。

お金のサービスでは請求書の現金化・ファクタリングサービスを利用ができ、会員登録後に最短30分で資金調達ができるようになっています。オンラインファクタリングの中では買取上限も高く、最大1,000万円まで対応しています。

また保険商品の提供も行っており、仕事の事故に対して5,000万円まで保証がでる安心保証Basicも無料で提供されているのが特徴です。

手数料も3%〜10%と他社と比較しても低い手数料率になっており、資金繰りの改善に活用ができます。

取引形態手数料最短入金買取可能額提出書類
2者間ファクタリング3%〜10%30分1万円〜1,000万円本人確認書類/請求書
請求書送付のエビデンス資料
(メールのスクリーンショットなど)

GoodPlus 土日祝日/年中無休対応/最短90分即日入金/乗り換え手数料5%割引/個人OK

GoodPlus(グッドプラス)は土日祝日も365日・年中無休で対応しているオンラインファクタリングで、最短90と即日入金にも対応しています。事務手数料/諸経費は0円で登記費用が発生する債権譲渡登記はなしで利用ができるため、個人事業主やフリーランスの方も利用できます。

また希望者には補助金や助成金申請のサポートも行っており、経営コンサルタントの紹介も行なっているため、財務や経営面に課題がある人は活用がおすすめです。また債権譲渡登記は不要です。

営業時間は8:30~20:00と長いため午前中に審査申込みをすれば、土日祝日で即時入金ができる可能性があります。加えて他社乗り換え割引も実施しているため、現在のファクタリング会社に不満がある方にはおすすめです。

取引形態手数料最短入金買取可能額必要書類
2者間ファクタリング5~15%90分30万円~10億円本人確認書類/請求書
通帳コピー
法人:昨年度の決算書
登記事項証明(全部)
印鑑証明書

No.1 初回手数料50%割引/乗り換え満足度ほぼ100%/手数料1%~/債権譲渡登記&諸経費0円

株式会社No.1はオンラインファクタリングに対応しており、審査時間も短く最短30分・即日入金に対応しています。また買取可能金額も10〜5,000万円と少額ファクタリングにも対応しているため、個人事業主や中小零細企業にもおすすめです。

必要書類も請求書・通帳コピー・決算書or確定申告書の3つと少なく、審査通過率も90%以上で即日入金に対応しているため、初回取引のファクタリングで選ぶのにはおすすめです。

また初回取引だけでなく他社からの乗り換えでは高額買取保証と記載があるため、現在利用しているファクタリングの手数料や対応に不満がある方におすすめで、債権譲渡登記も不要で利用できます。

取引形態手数料最短入金買取可能額必要書類
2者間ファクタリング1~15%最短60分10~5,000万円銀行口座の情報/売掛金の証明書
取引先との基本契約書
※5000万円以上は別途ご相談

日本ビジネスリンクス JBL 最短2時間入金/オンライン完結/乗り換えほぼ満足度100%

日本ビジネスリンクスは最短2時間の即日入金が可能なファクタリング会社で、オンライン完結のためスピーディーに資金調達が可能です。また債権譲渡登記は不要です。

また他社利用中の方の乗り換え満足度はほぼ100%と、好条件での利用を保証との記載があるため、現在のファクタリング会社に少しでも不満がある方は相談をしてみましょう。

手数料も業界最安水準のため手元に残る現金も多くすることができます。また高価買取キャンペーンも実施しており、AI査定で10秒で資金調達できる金額を簡単にチェックすることができます。

取引形態手数料最短入金買取可能額必要書類
2者間ファクタリング
3者間ファクタリング
2%〜即日/2時間〜1億円買取対象の請求書/身分証明書/決算書
通帳・当座照合表/取引先との成因資料

ファクタリングで必要な債権譲渡登記とは?

次はファクタリングにおける債権譲渡登記の詳細について解説していきます。下記の記事では登記が必要な理由やメリット・注意点を解説しています。

ファクタリングの債権譲渡登記とは?必要性やメリット・デメリット

債権譲渡登記は譲渡を公示し第三者への対抗要件を得られる

債権譲渡登記とは債権の譲渡時に法務局で登記を行うことで、債権者以外の第三者に対して対抗するための手続きを指します。登記を行うことでファクタリング会社としては売却される売掛債権が、譲渡されて自社に権限があることを公的に証明ができます。

3社間ファクタリングの場合は売掛先から合意を得ることで要件は満たされます。そのため債権譲渡登記を求められるのは2社間ファクタリングを行うケースです。

ファクタリングにおいて債権譲渡登記は必須ではないものの、二重譲渡や架空債権トラブルなどを防止するために登記を求められることがあります。ただし債権譲渡登記は利用者にデメリットもあるので、詳細を解説していきます。

3社間ファクタリングでは債権譲渡登記は原則不要

ファクタリング契約において債権譲渡登記は法律で定められているわけではないので、上述でもふれたように必須要件ではありません。登記不要な取引形態は3社間ファクタリングの場合です。

3社間ファクタリングの場合は契約時に売掛先に債権譲渡の通知・承諾を行うため、同一債権を別のファクタリング会社に譲渡契約を結ぶという二重譲渡のリスクはなくなります。

また架空債権のリスクについても売掛先に承諾を得ているため、「うちではそんな売掛債権はありません」といえば終了します。債務者と売掛先が口裏を合わせなければ架空請求はバレますが、売掛先が架空請求に加担するメリットはないため、債権譲渡登記は不要となります。

このように3社間ファクタリングでは売掛先から債権譲渡の同意を得ているため、ファクタリング会社からすると二重譲渡や架空債権といったリスクがなくなるのが特徴です。

債権譲渡登記不要が問題になるのは2社間ファクタリング・登記が必要な理由

まず前提として債権譲渡登記は法律で定められているわけではないので、ファクタリング利用時の必須要件ではなく、極論を言えば登記不要の会社を選べば問題はありません。

しかし2社間ファクタリングの場合は利用者とファクタリング会社の2社で取引を行うため、債権譲渡登記を実施しないと後になってトラブルとなるケースがあります。

2社間ファクタリングで債権譲渡登記を求められる理由は下記2つの理由です。

(1)二重譲渡を防止できる

ファクタリング会社が債権譲渡登記を求める1つ目の理由は、売掛債権の二重譲渡を防止できるという点です。二重譲渡とは売掛債権の売買契約が他社で決定している請求書で審査申込を行い、ファクタリング会社から資金を騙し取る詐欺行為を指します。

債権は目には見えない資産であるため、当事者間の意思決定で譲渡が成立する場合は、二重譲渡の発生リスクは拭いきれません。仮に二重譲渡が発生した場合は2人の債権者が1つの売掛債権を保有する状態となり、権利が重複するため片方の債権者は債務の弁済を受けれません。

弁済を受けれないということは、片方のファクタリング会社は債権の購入代金が損失となります。こうなると債務不履行による損失をファクタリング会社が回収するには、二重譲渡を行った利用者に対して損害賠償請求といったように、法的措置を取る必要があります。

しかし法的な対応を取る場合は時間や工数が発生するため、事前に防止できるならば二重譲渡の発生は避けたいと考えるのが一般的です。そのため債権譲渡登記を事前に行っておくことで、二重譲渡を防止し債務不履行を避けることができるのです。

(2)架空債権やトラブル防止になる

ファクタリング会社が債権譲渡登記を求める2つ目の理由は、法的根拠をもった状態で架空債権などのトラブルを防止できるという点です。

ファクタリング契約を実施する場合は、上記のような二重譲渡や架空の請求書を作成して売却し、ファクタリング会社から資金を騙し取る詐欺行為を行う利用者のリスクも考える必要があります。

しかし譲渡された債権が債権譲渡登記されている状態であれば、ファクタリング会社は登記を債権買取の法的な根拠として主張することができるようになります。

例えばファクタリング会社が売掛先から売掛金の回収ができないという状態になった場合は、裁判によって損害賠償請求を行う必要があり、裁判では法的な根拠のある書類が必要となります。

ファクタリング契約は償還請求権がないノンリコース契約であるため、売却された債権の回収はファクタリング会社が責任を負うことになります。仮に何かしらのトラブルが生じた時に債権譲渡登記を行っていれば、ファクタリング会社は不足の事態でも債権回収ができます。

債権譲渡登記を行う2つのメリット

ではファクタリング利用者が債権譲渡登記を行うメリットはどのようなものがあるのでしょうか。メリットは下記の2つです。

  • 手数料が下がる可能性がある
  • 審査通過率が高くなる可能性がある

(1)手数料が下がる可能性がある

債権譲渡登記を行う1つ目のメリットは、手数料が下がる可能性があるという点です。紹介してきたように2社間ファクタリングで債権譲渡登記を行う理由は、二重譲渡・架空債権といたリスクを防止するためです。

3社間ファクタリングの場合はそもそも売掛先に債権譲渡通知・承諾を得ているため、上記のようなリスクは発生しないため手数料が2社間ファクタリングより低めに設定されています。

つまりファクタリング会社としてリスクが削減されるという観点から、手数料を下げてもらえる可能性があります。

(2)審査通過率が高くなる可能性がある

債権譲渡登記を行う2つ目のメリットは、審査通過率が高くなる可能性がある点です。架空債権・二重譲渡の疑いがある場合は、ファクタリング審査で落ちる可能性が高くなります。

しかし債権譲渡登記を行っていれば上述で解説したように、二重譲渡や架空債権のリスクは低くなります。そのため審査落ちの可能性が低くなり、審査通過率が高くなる可能性があります。

債権譲渡登記を行う3つのデメリット

ただしファクタリング時の債権譲渡登記はデメリットもあります。

  • 債権譲渡登記の費用を負担する必要がある
  • 売掛先にファクタリング利用がバレる可能性が高まる
  • 個人事業主・フリーランスは債権譲渡登記の場合は利用できない

(1)債権譲渡登記の費用を負担する必要がある

ファクタリング会社から債権譲渡登記を求められた場合は、手数料とは別に登記費用を負担する必要があります。債権譲渡登記を行うためには、登録免許税あ必要となり、申請手続きを司法書士に依頼する場合は5〜10万円程度の費用が発生します。

司法書士に依頼せずに登記を行うこともできますが、法務局で登記申請を行う必要があるため、平日の時間を使うことなります。個人事業主やフリーランスなどが10万円未満など少額ファクタリングを行う場合は、資金調達できる金額がかなり小さくなります。

そのため費用を抑えたい場合は債権譲渡登記が不要なファクタリング会社を選ぶようにしましょう。

(2)売掛先にファクタリング利用がバレる可能性が高まる

また債権譲渡登記に限らず不動産登記や商業登記などの登記情報は、法務局で手数料を支払い申請を行えば、誰でも閲覧ができるようになっています。

可能性としては低いですが仮に売掛先企業が自社の売掛債権の情報を確認すれば、ファクタリング利用がバレてしまいます。

ただしわざわざ自社の売掛債権の登記情報を法務局にいって、手数料を支払って調べる可能性は低いですが、知られる可能性がゼロではないことを理解しておきましょう。

(3)個人事業主・フリーランスは債権譲渡登記の場合は利用できない

デメリットの3つ目は個人事業主やフリーランスの場合は、ファクタリング利用ができないという点です。先ほども触れましたが、債権譲渡登記ができるのは法人企業に限定されています。

そのため実質的に個人事業主やフリーランスは2社間ファクタリングの利用はできなくなり、債権譲渡登記ありにしている場合は法人企業をメイン顧客としている場合もあります。

ファクタリング会社の中には法人のみを顧客にしている場合や、個人事業主やフリーランスにも対応しているケースもあるため、債権譲渡登記が不要な会社を選びましょう。

必要書類が少なめで個人事業主おすすめファクタリング審査が甘い・緩い業者はこちらの記事で紹介しています。

債権譲渡登記で第三者が見えるようになる情報

債権譲渡登記を行えばファクタリング会社としてはリスクを回避できると記載しましたが、債権譲渡登記によって第三者が得られる情報は限られています。債務者・ファクタリング業者が把握できる情報は、債権者に関する全てではないことは注意しておきましょう。

債権譲渡登記が実施されると東京法務局でのみ交付される登記事項概要証明書に最新の登記情報が記載されます。また譲渡した譲渡人の本店所在地のある法務局が交付する、概要記録事項証明書でも同様の内容を確認できますが、登記原因や存続期間まで把握はできません。

ただし概要記録事項証明書の場合は譲渡人の称号や本店所在地に変更があるケースでも、それまでに譲渡人がおこなった債権譲渡登記の概要が全て記載された証明書の交付を受け取ることができます。

両者にはそれぞれにメリット・デメリットがありますが、詳細内容を知りたい場合は、下記の内容が記されている登記事項証明書を取得するこになります。

  • 譲渡人の商号または名称、および本店または主たる事務所
  • 譲受人の氏名、および住所(法人は商号または名称、および本店または主たる事務所)
  • 譲渡人または譲受人の本店または主たる事務所が外国にある場合、日本にある営業所または事務所
  • 登記原因、およびその日付
  • 譲渡にかかる債産を特定する上で必要な事項のうち、法務省令で定めるもの
  • 登記の存続期間
  • 登記番号
  • 登記の年月日

因みに登記事項概要証明書・概要記録事項証明書は詳細内容の開示となるため、下記の項目に該当する人しか交付請求ができない仕組みになっています。

  • 譲渡にかかる債権の譲渡人、または譲受人
  • 譲渡にかかる債権を取得した方
  • 譲渡にかかる債権を差し押さえ、または仮に差し押さえた債権者、もしくはこれらの債権を目的とした質権や担保権などの権利を取得した方
  • これらに掲げる方の財産管理および処分をする権利を有する方
  • 譲渡にかかる債権の譲渡人の使用者

債権譲渡登記が不要な2社間ファクタリングも増えている

3社間ファクタリングでは債権譲渡登記は不要ですが、ここまで債権譲渡登記の必要性を記載してしまうと、ファクタリング利用時の登記はかなり重要という認識になっているでしょう。しかし2社間ファクタリング最大のメリットである、即日入金は難しくなります。

2社間ファクタリング最大のメリットは即日現金化・資金調達ができること

これは上述でも触れましたがファクタリング利用時に債権譲渡登記は必須要件ではありません。そのため2社間ファクタリングで債権譲渡登記ありにしてしまうと、登記に時間がかかり最大のメリットである即日入金はできない可能性が高いです。

即日入金・早期の資金調達を実施したい利用者のニーズに応えるため、債権譲渡登記不要の会社も近年では増えています。ただし解説してきたように、登記不要の場合はファクタリング会社からするとリスクが高くなるため、手数料がやや高めに設定されるケースもあります。

しかし近年は完全オンラインファクタリングも登場しており、店舗を持たないため家賃や店舗管理費・スタッフの人件費を最小限に抑えています。そのため手数料は安めになっているため、手数料を抑えたい場合はオンラインファクタリングを利用しましょう。

  • オンライン完結ファクタリング:手数料相場3〜8%
  • 2社間ファクタリング:手数料相場10〜20%
  • 3社間ファクタリング:手数料相場2〜10%

債権譲渡登記不要と償還請求権なしは全くの別ものである点を注意する

債権譲渡登記不要と間違えて理解されがちなのが、償還請求権なし(ノンリコース契約)についてです。これは全く別ものなので、契約の際は注意しておきましょう。

解説してきたように債権譲渡登記はあくまでも売掛債権が譲渡された時に、ファクタリング会社が自社に権利があることを公的に主張できる対抗要件のある登記制度です。

一般的なファクタリング契約では償還請求権なしの契約が通常で、仮に売掛先が倒産したとしてもファクタリング会社が責任を負うことになっています。

しかし償還請求権ありの契約の場合は売掛先から売掛金が回収できなかった際に、利用者はファクタリング会社に金額を返済する必要が発生します。こうした契約を買い戻し契約と呼びますが、これは融資契約に該当し貸金業登録を行なっていない会社が行うのは違法です。

詳細については下記の記事で解説していますが、ほとんどの場合は審査なしを謳っている悪徳なヤミ金業者の可能性が極めて高いです。そのため契約時に償還請求権ありの契約締結を求めてくる場合は、契約を避けるようにしましょう。

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